沖縄普天間基地所属の垂直離着陸機MV22オスプレイ1機が13日午後9時30分ごろ、名護市安部の沿岸から約80メートルの浅瀬に墜落し、機体が大破しました。乗組員5人は全員が救助され、2人が負傷しました。
これをうけて米海軍は事故について、暗視装置を用いた夜間訓練だったことを明らかにするとともに、「墜落」との見方を否定しました。また同様に、菅義偉官房長官は14日の記者会見で「パイロットの意思で着水した」と述べ、「墜落」ではないとの認識を示しましたが、陸からたった80m浅瀬に着水することなど普通ありえません。機体が大破している状況からも、墜落したといえます。
墜落現場は、民家が並ぶ集落から数百メートルしか離れておらず、重大事故の可能性もありました。
また同じ日の夜に、別のオスプレイが機体の不具合で前輪が動かず、胴体着陸していたことも、米軍の記者会見によりわかりました。
防衛相は14 日未明、マルティネス在日米軍司令官に原因究明や情報提供とともに、安全が確認されるまでオスプレイの飛行停止を申し入れました。
在沖縄米軍トップのニコルソン氏は、「住宅上空を飛ばなかったことを感謝されるべきだ」、「飛行士は英雄だ」と語りました。同氏は、同日の記者会見で「あれだけブレード(翼)が損傷していたにもかかわらず着陸できたことは、オスプレイの機体の丈夫さを物語っている。ワシントンでもオスプレイは引き続き飛行するという判断が下されている」と述べ、運用継続を明言しました。
・高江に住む清水亜生さん(37)は、事故を受けても米軍は訓練中止を約束していないことが報道されていたとして、「私たちには人権がないのか。まだ占領されているのかと思ってしまう。沖縄県民、日本国民をばかにしている。」と話しました。
〔しんぶん赤旗11月15日付〕
・現場に近い名護市安部地区の自営業女性(37)は、ニコルソン氏の発言をうけて「事故を起こしたこと、さらに海を汚して迷惑をかけたことに対して『ごめんなさいでしょう』」と話しました。
〔朝日新聞12月16日付〕
・浦添市の男性(65)は「飛び散った部品が集落に落ち、けが人が出てもおかしくなかった。被害がなかったのは偶然だ」と指摘。「何回も落ちているオスプレイに安全はない」と批判した。
〔沖縄タイムス12月16日付〕
沖縄県の翁長雄志知事は14日、外務省沖縄事務所と沖縄防衛局の担当者を県庁に呼び、厳しく抗議し、オスプレイの飛行中止と配備撤回を求めました。
小池都知事や横田基地のまたがる五市一町の市町長で構成される「横田基地に関する東京都と周辺市町村連絡協議会」は、以下のように述べました。
平成28年12月13日に沖縄県名護市東海岸から約1km沖合で、米軍機MV-22オスプレイ1機が不時着水しました。
今般の事故は、横田基地へのCV-22オスプレイの配備計画が発表されている中での事故であり、周辺住民のオスプレイに対する安全性への懸念は大きくなっています。
このため、当協議会は、当該事故の原因究明と再発防止策について、米軍に申し入れるよう要請するとともに、客観的事実に基づき東京都及び横田基地周辺市町に対し、事故に関する迅速かつ正確な情報提供を丁寧に行うよう要請します。
また、事故に係る原因究明により、安全性が確認されるまで、MV-22オスプレイの飛行を行わないことを米軍に申し入れるよう要請します。
同じ日に、重大事故が2件も起こり、オスプレイが危険な機体であることは明らかです。今回沖縄で事故でしたが、横田や厚木、木更津、岩国を飛び回るオスプレイ、どこでも墜落の危険があります。危険なオスプレイを、沖縄をはじめ、首都圏や全国への配備させるわけにはいきません。オスプレイ反対東京連絡会は、引き続きオスプレイの配備撤回を求めてまいります。